クールな御曹司の契約妻になりました
声をかけられ、千裕さんの方に視線を向けるとふいに視線がぶつかった。

「白無垢の香穂も綺麗だったが、ドレスアップした香穂もかわいいな」

視線がぶつかったことに気が付いた千裕さんに、色気のある笑みを浮かべながら甘い言葉をかけられ、私は思わず胸がキュンとして顔中が一気に熱を帯びる。



今日は結婚してちょうど1週間。

二階堂ホテルに千裕さんの仕事の関係者などを集めて、私たちのお披露目パーティーを行う。


「ドレス、ありがとうございました」

今朝、リビングに整った文字で『支給品』と書かれた紙と一緒に置かれていたドレス。

ペールイエローのAラインのドレスには、色とりどりの花やパール、それからビーズ刺繍が胸元にたくさん散りばめられ、腰には大きなバックリボンがデザインされている。

「うん。香穂に似合うと思ってオーダーしておいたんだ。とてもよく似合ってる」

お世辞なのか、本心なのか。

どちらにしてもなんだかくすぐったくって私は視線を反らす。

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