クールな御曹司の契約妻になりました
「そ、そういうわけでは……」

「だから、最近キスも嫌がるようになったのか?!俺が香穂のこと好きなこと分かってるだろ?」

喧嘩なんてしたことなかったから、ユウタさんが怒ったところをみるのもそれが初めてだった。

「う、うん。分かってるけど……」

そこまで言った私を、ユウタさんが勢いに任せて床に押し倒した。

「いっ、嫌!!やめて……」


貪るように唇を奪われ、強引に舌が入り込んできた。

それからのことはよく覚えていなくて、彼が無理矢理に嫌がる私を抱いたという事実だけが残った。

「ユウタさん、さよなら」

規則正しい寝息を立てるユウタさんに別れを告げた私は、まだ夜明け前の青みがかった空の下重たい身体を引き摺りながら家路についた。


それから、ユウタさんがお店のバイトの女の子を体の関係を持つ軽い男だと知ったのは、ユウタさんと別れてバイトも辞めて数カ月経った頃だった。


それ以来、もう恋愛はこりごり、愛なんて信じられないと嘆く日々が始まったんだった。
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