チョコとブーケ
急に手を引かれる。
「えっ?!なに?!」
寝室へ入るとそのままベッドへ押し倒された。
彼のキスが降ってくる。
やばい。気持ちいい……
彼の手に、唇に翻弄され、
押し寄せる快感に私の意識は溶けていった。
頭を撫でられる感覚で目を覚ます。
「ごめん。起こしちゃった?」
彼が優しい目で見つめてくる。
彼がいる。
ただそれだけがとてもうれしい。
「ん。大丈夫。朝ご飯準備するね。」
トースト、ハムエッグにサラダを添えて。
コーヒーをいれる。
穏やかな朝の食卓。
彼との未来に思いを馳せる。
「なぁ、明日、指輪見に行こう。」
「え?」
「近くにいられない分、目に見える印つけさせて?」
「うん!!」
「プロポーズはまたいずれ。」
彼がはにかむように笑う。
これから先、この笑顔がずっと見られますように。
