好きな人に恋愛相談されました。
「ちょ、なんで泣いてるんだよ。なぁ、高梨」
おろおろする俺に向かって、覚悟を決めたように高梨は顔を上げ、その瞳が俺をまっすぐ映し出す。
「……好き。あたし、堺が好き」
「……は?」
「ずっと好きだったの……っ」
高梨の告白に頭がついていかない。
呆然としていると高梨は袖で涙を拭い、「……なんて言われても困っちゃうよね!」と俺を見上げて無理やり笑みを浮かべる。
「朝相談したのもね、少しでも確率上げられたらなって、堺はいつ渡したら喜んでくれるのかなって、思ったからなの。……でもダメだったかぁ。あの、ごめんね! 聞いてくれてありが、ひゃっ?」
「それ、1分で終わる話じゃねぇだろ。とりあえず学校出よ」
「さっ、堺っ、手っ」
動揺する高梨の手を取り、校門に向かって歩き出す。
これまで不意に触れることはあったけど、こうやってしっかり高梨の肌に触れるのは初めてだ。
高梨の手はすごく小さくてひんやりと冷えていて、俺が守りたいと思った。