好きな人に恋愛相談されました。
校門を出てから、しばらく無言で歩く。
学校が見えなくなったところで歩く速度を緩め、立ち止まった。
斜め後ろで立ち止まった高梨を見下ろすと、さっき俺に差し出してきたもの大事そうに胸に抱えている。
「それ、俺にくれるの?」
「え? うん……」
「本気チョコ?」
「……そうだよ」
「本気チョコはそのひとつだけ?」
「当たり前だよ! あたしが好きなの、堺だけだもん」
高梨はむきになって訴えかけてくる。
……今のヤバイ。きゅんときた。
意外にも疑り深い俺は気になっていることを口にする。
「さっき見た。バスケ部の部長と仲よさそうに話してるとこ」
「へ? あっ、お兄ちゃんのこと?」
「……はあ?」
いや、名字違うし、似てないし、と突っ込もうとしたけど、「お兄ちゃん」と呼んでいるからって本当の兄妹とは限らない。
いとことか昔からの知り合いとかそんな感じだろうか。