好きな人に恋愛相談されました。
思いっきり身体を動かせば、朝から引きずっていたもやもやした気持ちもすっきりした。
制服に着替えた俺は口元を隠すようにして分厚いマフラーを巻き、外に出る。
この時間は下校時間間近ということもあり、部活生でいっぱいだ。
「さっみぃ~」
「マジで! 雪降るんじゃね?」
やんやと部活仲間と話しながら校門に向かっていると、俺の視界に高梨の笑顔が飛び込んできた。
俺の高梨センサーを見くびってもらっては困るが、どんなに人が多かろうと彼女の姿を見つけるのは朝飯前だ。
思わず自慢してしまいそうになったとき、高梨の隣にバスケ部の部長の姿が見えた。
ふたりの距離感は近く、高梨も完全に心を許した笑顔を浮かべていてすごく親密そうだ。
そして、すぐに気づく。
……ちょっと待った。そいつが高梨のチョコレートの相手か?