甘い脅迫生活
「しかも社内報の表紙毎回専務ですよ!」
さえちゃんが自分の机から持ってきて目の前に叩きつけたのは、よく見かける彼女。
「え、この人専務だったの?」
「えー!」
社内報なんて回ってはくるけど読んだことがなかった。表紙はいつもこの人だから、専属で契約しているタレントさんか何かだと思っていた。
そう。プロだと思うほど美人だから違和感がなかったのかもしれない。
「これが、元カノ。」
「ですです!」
正直、ほんと。
「優雨、頭大丈夫かな?」
「は?」
心配すぎる。
「だって考えてみてよ。この人こんなに美人でしょ?専務ってことはうちには副社長とかないし、実質社長の次に偉いわけじゃない?仕事もできてこの美貌。しかもスタイル、なにこれ。逆に合う服がなくて困るんじゃない?」
さっきさえちゃんが言った通り、これは超を連発したくなるというものだ。だからこそ、だからこそよ?
「この人から私って、高低差激しすぎない?」
優雨が私となんで結婚しようと思ったのか、更に謎は深まるばかり。
だってこの差はないでしょ!