甘い脅迫生活
「認めますよ。」
「ん?」
この、美しい男性は、強引で、かなり不器用な人。
「貴方が好きになりました。私と結婚してください。」
「っっ、」
だけど一途で、最高の旦那様。
「もう結婚してますけどね。」
「いや、」
優雨が、私の手を取って笑う。
「今やっと、できたんだ。」
手の甲に落とされたキス。視線だけを上げた優雨は、心臓に悪い笑顔を零した。
私の旦那様はこれから、約束通り、私を幸せにしてくれるだろう。
「愛しているよ、美織。」
「……私も、です。」
今まで感じることのできなかった、甘美な恐怖を、この人に期待しよう。
……end,
