甘い脅迫生活
少し悩んで私が思いついたのは。
「か、彼の会社関係のことでまだ情報を明かせなくて……?」
なかなか苦しい、言い訳。
「なぁんだ。じゃしょうがないですね。」
「そんなの現実にあるんだな。」
それなのに2人が意外とあっさり引いてくれたことに、胸を撫で下ろした。
「でも、先輩?」
「ん?」
「そうなる時は私に真っ先に教えてくださいね?」
さえちゃんの笑ってない目は、分かってるよな?と語り掛けてくる。
「それはもちろん!所長より先に!はい!」
「……脇坂さん、それはそれで寂しいぞ。」
すみません所長。私は上司の貴方より、目の前の笑顔の後輩の方が怖いのです。普段は天真爛漫な感じのさえちゃん。時折見せるこの絶対的なオーラはなんだろう?それを解明すると出てくるものはなんなのか。恐くてその先には進めない。
頼もしく、可愛い後輩に愛想笑いを返した。