甘い脅迫生活
ぶつくさ言いながらもお茶を淹れて、優雨たちの前に置いていく。
「あれ?脇坂さん社長のお茶、凄く薄くないか。」
「え?」
所長の指摘に首を傾げた。
「でもお茶は薄い方がいいですよね?」
「ああ。ちょうどいいよ。ありがとう。」
優雨の返答に頷いて所長を見れば、ものすごく驚いている様子。
優雨はお茶の渋みが苦手だから、ものすごく薄いのが好み。ほら、満足そうに飲んでるじゃない?
「美織。このお茶菓子は、」
「ああ、最中とかあったんですけど、あんこ苦手ですよね?クッキーにしときました。」
「やっぱりか。ありがとう。」
「いいえ。」
クッキーを食べた優雨の膝の上に屑が落ちていく。
「あー。クッキーは散らかりますよね。汚れない奴にすればよかったです。すいません。」
膝の上の屑を拾って、ティッシュの上に載せる。優雨はこの辺あんまり気にしないからダメなんだよね。
「山田さんが困りますから、あまり散らかして食べちゃだめですよ。」
「仕事中は気を付けてるよ。」
「……嘘ばっかり。」
膝の上のクッキー屑を指させば、優雨が苦笑いを零した。それがなんだか面白くて。思わず私もつられて笑う。