暴走族の姫 Ⅰ
姉貴と同じようなを言う父親に腹が立つ。












「俺は。決めたんだ、助けてやって俺が幸せにする。


だから、手を貸してください。



桐生社長。



手を貸していただけるなら必ず、



将来この会社を継ぎます。



継いで今以上に大きい会社にして見せます。」











こういうのが一番親父が求めていた言葉じゃないのか。











「嫌なんだよ。お前を傷物にするのは。俺も母さんも。」










初めてそんなことを言われた気がする。










でも、自分が傷物になるより、悠が今も傷ついていることを考えると









そんなことを気にしてはいられなかった。











「それでも、親父…。俺は「分かってる。俺の息子だからその選択するのは分かってたさ。」










ハハッと笑いながら言った父親は格好良かった。











「じゃあ、まあ俺が手を引けって言う理由を聞け。


その施設長、進藤 唯は幼少時に自分の母親を…。




殺してる。




そこからだ。



進藤 唯がおかしくなったのは…。



まぁ、それを何故知っているのかとか聞くのはなしな。」









それから、親父の口はとんでもないことを言った。











「それから、これは表向きの情報じゃないんだが、



お前が惚れ込んでる悠っていうのは、進藤 唯の実の娘だ。」











は?













親父にふざけている様子は見えない。












なら、なんで。








実の娘にあんなことさせてんだよ。










「もし、進藤 唯に手を出すなら勿論親である俺も手を貸す。お前はまだ死なせねぇよ。」











暴走族の総長ででっけぇ会社の社長が味方についてくれた。











これ以上に心強い事はない。











「親父…。ぁ、ありがとな。」
< 77 / 104 >

この作品をシェア

pagetop