彼の嘘 彼の本音

それから

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「夢、お迎え。」

「え、もう?どうしよ、まだ用意できてない。」

「急がなくても大丈夫でしょ。」

「ん、でも、待たせちゃ悪いし。」

「…いいんじゃない?牽制しまくれるし。」

「ん?」

「…んーん。」


玲奈ちゃんの言葉に意味がわからず首を傾げるけど、

急いで帰る用意をする。


「夢。」

「あ、藤真君。ごめんね、まだ帰る用意できてなくて、」

「いいよ。ゆっくりで。」


そう言って、あたしの帰り支度を待っていてくれる。


「今日、早いね。」

「ああ、なんか、担任いなくて、代わりの人が即効終わらせたから。」

「そっか。」

「…だったら、もっとゆっくり迎えに来てくれたらいいのにね、夢。」

「え?あ、いや、」

「なに?来ちゃダメだった?」

「帰り支度待たせちゃ悪いって、焦るのよ、夢は。」

「…そっか、ごめん。」


玲奈ちゃんに言われて、謝る藤真君。


「あ、大丈夫。うん。
あ、でも、やっぱりここまで来てもらうの悪いし、下駄箱で待ち合わせとかの方が、」

「いいよ、全然。」

「そう?」

「ん。早く夢に会いたいし。」

「っ!」



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