颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
こんな生活感丸出しのキャミソール……。着替えさせて、とお願いできる雰囲気ではない。桐生颯悟の熱いキスは止むことはなく、舌が私の口内をまさぐる。
シャワーも浴びてない。
ホテルから歩いてきて汗もかいたのに。
ん?
んん?
「☆§●※▽■〇×?!」
ちょっと……。
予想していた行為を突如、省略されて私は慌てた。
これまで寸手のところまではしたことはある。海の見える和風コテージでは夜通し桐生颯悟に愛撫されていたし、先々週に桐生颯悟が熱で意識朦朧になって中断したときも。
でもその2回とも、いつものキスをしたあとに桐生颯悟は浴衣や服の上からキスを施した。胸に腹に太ももに、背中に腰骨に。服で隠れていないところは直接、唇を吸い付けた。あの焦れったい刺激に意識は朦朧として、もうなにをされてもいい!、みたいに感覚が麻痺した。
だから今回も下着の上からキスというウォーミングアップを期待していたのに。焦れた愛撫でとろける前に前戯が始まってしまった。
直接肌をなぞる桐生颯悟の指に、感じるよりも不安か先に立つ。
心臓がバクバクと言い出した。さっきまで張り裂けそうな切ない感情でいっぱいになっていたところに鼓動が激しくなったものだから、どうにもこうにも胸が痛い。
待って、待って、待って。
そんな心の叫びは急いた桐生颯悟に届かない。
彼の指は脇腹を北上し、ブラのアンダーベルトに到達した。その縁をなぞるようにして桐生颯悟の手はくるりと背中に回り、ホックに指をかける。
プチン。
外された。胸周りが解放され、カップと膨らみの間に空気が入り込む。
桐生颯悟の指がブラの内側に入り込んだ。
ダメ、ダメ、ダメ。
まだ心が追いついてない。
ぎゅうっ!
その瞬間、私は手を回し、桐生颯悟の背中にしがみついた。
突然のことに桐生颯悟の肘は折れ、私の上に崩れた。
自分の胸と桐生颯悟の胸の間で桐生颯悟の手のひらを板挟みにして、動かぬようにガードした。
「ちょ、何?」
「は、恥ずかしいから」
「なんで?」
「だから恥ずかしいんですっ」