颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
「29にもなって何をいまさら。キミが怖くても恥ずかしくても今夜はするよ」
サンドイッチされた手は強引にうごめく。上から桐生颯悟の体重がかかった分、胸に与えられる刺激は大きくなった。
私のえぐれた胸を桐生颯悟が愛撫している。
私はただ恥ずかしくて、なんとなく怖くて、桐生颯悟の背中にしがみついていた。
私の頭の脇には桐生颯悟の顔。その桐生颯悟は私の耳にキスをする。
わざと水音を立て、ちゅ、と唇を当てる。そして耳たぶをはみ、舌先でなぞる。桐生颯悟の吐息もかかる。
私は耳も弱い。こんなキスされたらデロデロに溶けてしまうけど、今はそんな風に感じられない。理性が勝って気になって緊張してしまっている。
「そ、颯悟さん。げ、幻滅してませんか?」
「なにに?」
「の……のっぺらぼう、ですし」
「のっぺらぼう?」
「あ、イッタンモメンでも代用可ですけど。あとは、まな板とか」
「まな板?」
「洗濯板とか電柱でも代用可ですけど」
桐生颯悟は頂を遊んでいた親指の動きを止めて、体を浮かせた。そして私の顔を上から覗き込む。
目をまんまるにしたあと、ニヤリと笑った。
「ああ。このキミの胸のこと? ホント、キミ、面白いよね。一反木綿にのっぺらぼうね。確かにキミの胸がなさ過ぎて背中だか胸だか分からないよね?」