颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
もちろん、結果は散々だ。

小学生には「こんな英語も分かんないの? オバサン」と罵られ。

「ママ、あのひとヨージ? どう見てもオバサンでしょ?」「しっ! お教室では日本語禁止でしょ」とささやかれ。

「マダム英会話のはずなのに変なのが紛れてるわ」と大粒真珠の三連ネックレスのマダムに睨まれ。

「若作りしてもムリだよね、高校生には見えない」とヒソヒソと噂され。


だーかーらー。
桐生颯悟が資金力と権力にものを言わせ、年齢制限撤廃させて全クラス申し込んじゃったからで。

クラス切り替えの休み時間以外はすべて英語で会話して。留学したみたいな1日だった。せっかくの休日なのに2日間とも桐生颯悟の用事でつぶれた。上京して初めてのお休みなのに。

クタクタになって部屋にもどると、桐生颯悟はリビングで文庫本を読んでいた。くったりと背もたれに上半身を預けて、足を長く放り出して。壁付けのワイヤレススピーカーからスローテンポの洋楽を流していた。

いいご身分だなあ。こっちはヘロヘロなのに。

人の気配に桐生颯悟はパタンと本を閉じた。
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