颯悟さんっ、キスの時間です。(年下御曹司は毒舌で腹黒で…でもかわいいかも?)
「意外だね、ブルーチーズと蜂蜜って。ありえない組み合わせが相性ぴったりだなんて」
「そうですね」


ありえない組み合わせ、それは私と桐生颯悟だ。でもブルーチーズも蜂蜜もそれぞれに素晴らしい素材だから相性などと考えるのだ。私と桐生颯悟の場合、桐生颯悟はイケメンで頭もいい御曹司だけど、私は女子力の低いバカな貧乏人。素材に差がありすぎる。桐生颯悟という良品を粗悪品の私が汚して終わる。

ビーフシチューは絶品だった。母のはコクがあってこってりタイプ。桐生颯悟のはデミグラスソースの苦味が効いてさらりとしていた。まさに男の味!みたいな。

ワインのお代わりもして、桐生颯悟がバターライスなんぞも出してくれて、お腹が膨れるのと比例して私のまぶたが重くなっていく。眠い。


*―*―*

こくり、こくり。自分の頭が振れているのがわかる。ベッドに行かないと……。


「……り、みのり。起きて……の……ほら……ままじゃ、風邪ひくか……」


桐生颯悟の声がする。肩に温かい手が当てられて。これは夢だ。みのりなんて呼んでくれるのも肩に触れてくるなんて現実ではあり得ない。だってみのりからキミに降格したし、バカが移るから近寄らないはずだし。

ふわふわと体が宙に浮く。飲み過ぎたかも。疲れてたのに飲んだから。ふわふわ……ふわふわ……ふ……。あれ、今度は涼しい。服、着ないと。でもぼんやりして体が動かない。誰か……。
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