ホワイトデーにおくるのは。
「えーっと……」


率先して、甘奈は歩く。

なにを買えばいいのかわからない俺は、ショッピングカートを引いて、甘奈についていくだけ。

板チョコ四枚、卵、紙パックの生クリーム、薄力小麦粉、テンポよくカートのかごに入れていく。

板チョコぐらいは買うことはあるけど、卵以外は買うどころか、値札を見るのすら初めてのものばかりで、なんだか新鮮。


「ねぇ、バームクーヘンとかだとよく欲しくなるんだけど、チョコ食べたとき、牛乳は欲しくなった?」

「いや、そんなには」

「そっか。でも一応買ってもいい? 私は欲しくなるのよ」

「いいよ」


俺が承諾すると、甘奈は一リットルの牛乳を入れた。

そもそも甘奈のためにやっていることなんだから、わざわざ俺に聞かなくてもいいのに。

レジに並び、生クリームって意外と高いんだな、と思いながら会計を済ませた。

準備がいいことに買い物袋を持ってきていた甘奈は、手際よく品物を詰めこんだ。


「はい。卵入ってるから割れないようにね」


荷物持ちは当然だし、重いのはいいけど、しばらく無縁だった卵を運ぶことになるとは……。難易度高い。

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