愛されすぎて・・・
さっき来た道を通って、屋台が並んでいる場所まで行った。
「おぉ、ラッキー!人が減ってきた!」
「ほんとだ!」
金魚すくいの屋台を見つけた。
真司が屋台のお兄さんにお金を渡して、金魚すくいのポイをもらった。
真司が子供っぽい顔つきに変わって懸命に金魚を救う。
なんか、それが可愛いなんて思っちゃう。
「おぉ、なかなかすごいじゃねーか!才能あるな?」
「そんな」
真司が取った金魚はなんと10匹!
私には到底無理な記録・・・
黒い金魚・・・デメキンだっけ?
それも2匹取ってるし・・・すごいなぁって思わず笑みがこぼれる。
金魚を全部袋にお兄さんが入れてくれて、真司に渡した。
「ありがとうな!」
お兄さんが言ったあとに屋台から立ち去った。
「結菜、はい!」
「・・・ん?」
金魚が入った袋を私の方に突き出してきた。
「真司が取ったんだから」
「結菜のために取った!」
「ありがとう」