教えて、空の色を
「で?紗由理の目って?」

暫く食事をして食べ終わる頃に
切り出したオレの言葉にアキラくんが気まずそうに頭を掻いてから
スマートフォンをチラリと見た

「・・・オレが言ったって言わないでくださいよ?」

こちらを探るように見るアキラくんがおかしくてそこし意地悪に返してみる

「んー気分次第で」

するとアキラくんには唇の端を引き上げて笑った

「岳さんには敵わないなぁ・・・まぁいずれ分かることだし
アイツの目は・・・特定の色が見えないんですよ」

アキラくんが呟いた言葉

・・・一瞬何を言われているかわからなかった

「色が見えない?」

「そこから先は本人に聞いた方がいいと思います・・・よ」

「え?」

アキラくんの目線が後ろに走るので振り向くと

すぐ後ろに・・・紗由理が立っていた

「ごめんなさい・・・」

今にも消えそうに儚げな表情で
俯き加減の紗由理は光が顔に陰影を映して相変わらず綺麗でどきっとしてしまう

「大丈夫なのかよ出てきて・・・」

「うん・・・」

立ったままの紗由理の手にそっと触れる

「座れば・・・アキラくんいいよね」

「あ、うん・・・オレが呼んだんで、ごめんなさい・・・岳さん」

そうなのか・・・
だからさっきスマートフォンを見てたんだな


そう言ったアキラくんはすくっと立ち上がって紗由理の肩をポンと叩いた

「じゃあオレ先に行きますね?ちゃんと話せよ?紗由理・・・」

アキラくんが席を立ってオレに頭を下げてから店を出ていった

残された二人で無言で暫く座っていたけれど
ラストオーダーの時間だったこともあって店を出た

何も話さない紗由理と店の外を並んで歩く

パン屋に近づいたその時つっと服の端を引っ張られてそちらを向くと

「河野さん・・・」

「ん?」

紗由理がオレをまっすぐに見つめて呼んだ

「貴方は私とは生きる世界が違うから・・・違うのに近づいたりしてごめんなさい・・・」

「え?」







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