絆創膏
ボトルを開けたのに飲みもせず、金髪ホストは真面目な顔を崩さない。
「俺の知り合いの女が、店長のストーカーになったことがあるんだ。
まあまあやばくて、家まで特定してもうめちゃくちゃやってた。
そいつから聞いたんだけど…」
私も真面目な顔を崩さないようにするのに必死だった。
「いつも、同じ女なんだと。
ホテルに行く時、違う女を連れてるところを見たことがないって。
てことはほぼ確定で本命、だわな。
…って、こんなこと誰にも言ってないんだからな。
ここらの奴でも知ってるもんは少ないはずだ」
…やっぱり。
きっと何か訳ありで籍を入れていないだけで、事実上夫婦なのだろうか。
諦め…
…られない。
これを聞くために金髪ホストに着いてきた。
諦められると思ったのに、そうじゃなかった。
それどころか、ドロドロとした嫉妬心に胸がムカムカする。
「…ねえあきらめられないよぉう…
どうしたらいいかなぁ
おしえてよきんぱつホストぉ」
「あれ、間違ってこのボトル飲んじゃった?」
