絆創膏
「店長のこと…ねえ
この世界の人は全員共通することだけど、私生活をバラしたりとかあんま無いんだ。
噂とかならそりゃあるがね」
「結婚は?してる?」
「いーや、聞いたことねえな。
あの人の1番の謎って言えば恋愛事情だよ。
信憑性のない噂しか流れてこないんだ」
その言葉にほっとすると同時に、引っかかりができた。
あの妊婦さんは誰なんだろう。
妊婦さんに向けられた微笑みは確かに愛情だった。
「そう…」
「なんだよ。
…もう一個ボトル開けるか?」
それは無言の賭けだった。
開ければきっと、もっと強い情報を教えてくれるのだろう。
迷うわけがない。
「好きなの頼んで」