浮気の定理-Answer-
何度か断られても、そのうちの一回くらいは、会ってくれていた真由が、それにも応じてくれなくなった。


――なんでだ?あんなに俺を好きでいてくれたじゃないか!


焦りが怒りに変わるのに、時間はかからなかった。


一日に何度も何度もメールをしてみる。


返信さえ来ないほど、俺は真由に避けられていた。


本来なら、家庭があるのだから、妻の元に戻ればいい話だ。


妻の元に戻り、真由と出会う前に、ただ戻るだけ。


なのに頭ではわかってるのに、体はそうは思ってくれない。


一度得た快楽は、そう簡単には、忘れさせてくれないみたいだ。


真由を思うだけで、反応しそうになる自分を情けなく思いながらも、真由への思いは止められない。


会えないことが、こんなにも切なくて苦しいなんて……


執着とも呼べるだろうこの思いは、俺を戸惑わせていた。


真由と妻とをうまく行き来しながら、俺はたかをくくっていたのだ。


万が一、真由に振られても妻の元に帰ればいいんだと……


そして妻にバレて離婚てことになったとしても、真由と一緒になればいいんだと……
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