浮気の定理-Answer-
涙を親指で拭ってやりながら髪を優しく撫でてやる。


まだ肩で息をしている涼子を抱き締めながら、俺はいつもと同じ台詞を繰り返した。



「わかったろ?

涼子が俺の言うことをきちんと聞いてれば、今日みたいなことはないんだ

愛してるよ?涼子……」




そう、この台詞に涼子が答えれば、お仕置きは終了となる。


答えなければわかるまで続くだけだ。



「わた……しもよ?

……愛してる……勇さん」



息も絶え絶えに俺を愛してると答えた涼子をギュッと抱き締める。


くたっと俺にもたれかかる涼子の膝頭を撫でると、ピクッと反応するのがわかった。


指を滑らせスカートの奥に手を割り入れると、湿っている布に触れた。


……やはりな?


涼子はやはりMなのだろう。


殴られて濡らすなんて……


ククッと笑いながら、そのまま涼子を押し倒す。


さっき殴った腹の部分をそっと労るように舌で舐めた。


痛いのか感じているのか涼子はビクンと体を揺らす。


そしてそれが後者であることを、俺は今までの経験から知っていた。

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