舞桜
「最後に見る景色はどうかしら…………?萩の君。」


「ヴッ!!」

その夜、萩の君は苦しそうに、呻き声をあげていたそうだ。

それに慌てた穀潰しが、様々な寺院に祈祷を頼んでいた。

(駄目………アテクシの命、きっと、ここまでだわ。)

そう。
そうね。

だから、私は、手を伸ばした。

きっと、萩の君、其方も覚悟していたのでしょう。

そっと、恨みを込めた両手を、萩の君の腹に伸ばした。
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