アラシとナギのパンケーキ

星のまたたき

「本当にありがとうございました」


食事を終えたラクダが丁寧に頭をさげると、姫君は「嫌いじゃなかったわ」とナギに言います。


「大変気に入ったので、また来るとおっしゃっておいでです」


ナギがくすくす笑います。


「どうぞ、ぜひまた」


姫君は照れてしまったのか、なにも言わずに金魚鉢に潜ってしまいました。


「それではお世話になりました。ごきげんよう」


アラシは別れの挨拶をするラクダを見つめ、心の中で「ふうん」とつぶやきます。
そして、しばらく考え事をしていましたが、ナギの声で我にかえりました。


「ねぇ、星のまたたく音ってどんな味なのかな? パンケーキより美味しいのかしら?」


「ああ、そうだねぇ」と、アラシが笑います。


「今度会えたらきいてごらん。でもね、星のまたたく音ってね、ラクダならきっと『姫君の好きな食べ物』のことだって説明してくれると思うな」
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