Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉



蓮央に半強制的に着せられ、無理やりバイクに乗せられて出発してしまった。


行きたくない...。

歩がいるらしいけど、本当か分からないし、そもそもあまり仲良くないし...。




「何でそんなに行かせたがるの...」


「卒業出来なくなったら困るだろうが」


「出来るよ、王蘭だもん。
それに行くと必ず喧嘩売られるし、女子からは呼び出しされるかシカトだし、いいことなんて無い」


「心配するな、歩に知らせたから。咲誇を守りつつ、話し相手になってくれって」


「...歩は何て?」


「嫌がってたけど、俺が頼んだ」




...頼んだっていうか、アレでしょ。


『総長命令な?』とか言ってゴリ押ししたんでしょ。


歩も可哀想に...。

私の話し相手なんかしてもつまらないのに。



しだいに、見慣れた風景が見えてきて。


数ヶ月ぶりに、王蘭高校の校舎を目にした。


あの頃と全く変わらない...。


校舎のラクガキも、チェーンで固定された門も、喧嘩によって荒れた校庭も。


何もかもが...あの時のまま。




「正門は閉まってんな...。裏門行くか」


「え、いや、裏門は...」




止めようとしたけど、それが聞こえなかったのか、蓮央は私を乗せたまま裏門へ走っていく。


はぁ...。

閉まってても、よじ登れば入れるのに。


裏門だけはダメだよ、本当。



< 129 / 228 >

この作品をシェア

pagetop