Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
蓮央に半強制的に着せられ、無理やりバイクに乗せられて出発してしまった。
行きたくない...。
歩がいるらしいけど、本当か分からないし、そもそもあまり仲良くないし...。
「何でそんなに行かせたがるの...」
「卒業出来なくなったら困るだろうが」
「出来るよ、王蘭だもん。
それに行くと必ず喧嘩売られるし、女子からは呼び出しされるかシカトだし、いいことなんて無い」
「心配するな、歩に知らせたから。咲誇を守りつつ、話し相手になってくれって」
「...歩は何て?」
「嫌がってたけど、俺が頼んだ」
...頼んだっていうか、アレでしょ。
『総長命令な?』とか言ってゴリ押ししたんでしょ。
歩も可哀想に...。
私の話し相手なんかしてもつまらないのに。
しだいに、見慣れた風景が見えてきて。
数ヶ月ぶりに、王蘭高校の校舎を目にした。
あの頃と全く変わらない...。
校舎のラクガキも、チェーンで固定された門も、喧嘩によって荒れた校庭も。
何もかもが...あの時のまま。
「正門は閉まってんな...。裏門行くか」
「え、いや、裏門は...」
止めようとしたけど、それが聞こえなかったのか、蓮央は私を乗せたまま裏門へ走っていく。
はぁ...。
閉まってても、よじ登れば入れるのに。
裏門だけはダメだよ、本当。