Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「弘樹ぃ〜?」
──ドクン。
大嫌いなあの声が、私の鼓動を速めた。
見なくてもわかる。
この声は、忘れるわけがない。
二度と聞きたくなかった人の声...。
「奈緒、走んなって」
「だって弘樹がいなくなっちゃったんだよ?
翠斗もちょっとは探してよぉ〜」
来てしまった。
絶対に会いたくない、あの二人が。
...吐きそう。
気持ち、悪い。
あのときの記憶がフラッシュバックする。
思わず蓮央の服を強く握りしめると、彼は私を後ろに促した。
「咲誇、行くぞ」
「おいおい、待てって。これからが面白いところだろ?」
「...お前、根性腐ってんじゃないのか?
これ以上こいつを不快にさせたら本気で容赦しねぇからな」
「脅しても無駄だっつーの。
...おーい、2人ともー」
二階堂が呼びかけると、あの二人はこっちを向いた。
ライトブラウンのロングヘアを巻いた奈緒が、翠斗を連れて駆け寄ってくる。
「もー、弘樹、こんなところにいたのぉ?
あたしたちめっちゃ探したんだからね!」
「悪いな〜。
懐かしい知り合いに会ったもんでして」
「知り合い?」
奈緒の丸い目が、蓮央の後ろにいる私をとらえる。
一瞬固まったあと、それは怯えたような目付きに変わる。
「さ、咲誇さんっ...!?」
足を震わせながら涙目で私を睨む奈緒。
...相変わらず、すごい演技力だね。
みんなが騙されるのもわかる気がするよ。
「弘樹、なんで咲誇さんなんかと一緒にいるの...!?」
「偶然そこで会ってさ。
安心しろ、奈緒に手は出させねぇから」
「やだぁ、怖いっ!!翠斗ぉ、助けてぇ!」
「あぁ?」
奈緒に呼ばれ、それまで興味無さげに携帯をいじっていた翠斗が顔を上げた。
昔と変わらない、茶色がかった瞳が細められる。
見つめ合うこと数秒。
先に逸らしたのは...私。