たった一つの勘違いなら。
王位というのは、この会社の社長職ということ。
御曹司だから玉の輿だと夢を見ている人は多いが、真吾さんは現社長の息子ではなく甥だ。
社長にも息子さんがいらっしゃるから戻ってきて継ぐという可能性もあるし、中継ぎとして創業一族以外の社長が立つ可能性などもある。
真吾さんが社長になるルートはないわけではないが、そう有望な形でもないらしい。
子会社に飛ばされていたり戻されたり、何か社内政治も絡んでいるというのは少し聞いたことがある。
法務部内で担当が変わることがあれば、株式のことなどもっといろいろ知ることもあるのかもしれないが。
私はよく知らないし、ご本人もきっと知られたくないだろうと思っている。王子というイメージを保ちながらもどこか疎んでいるあれは、そういうゴタゴタのこともあるんだろう。