南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )



***



ルンルンで家を出てからどれくらい経っただろう。


懐かしい母校の校門をくぐって、キョロキョロ不審者のごとく辺りを見回す私。


生徒玄関前って瀬那と約束してるけど、これって不法侵入にならないよね?と、どこか不安が押し寄せる。



あの頃と何一つ変わらない校舎。
昼休みにグラウンドでサッカーする男子生徒たち。


そんな男子生徒の誰かを見つめているらしい女の子が校舎の窓からグラウンドを眺めている姿に私までニヤニヤしてしまう。


いいなぁ、青春だなぁ。



『南くん!今日も好きです!もちろん、明日も明後日もずーっと好きです!』



私にもあったなぁ、青春。


"南くん"はいつもツレない返事ばかりで、私のことなんて眼中に無い。クール男子の鏡みたいな人だったな。


たまに思わせ振りで、縮まったと思っては遠のいて、もうダメかもって思っては近づいて。



「懐かしいなぁ」


私と瀬那の思い出がぎっしり詰まった校舎。
卒業以来、初めて来た。


スマホを確認すれば12時35分と表示されていて、もうそろそろ来てもいい頃なのにな〜と、生徒玄関から校内を覗く。

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