Secret answer ~キミノトリコ~
「なんですぐ言ってくれなかったの!?」
「ちょ…大きいから!声」
「大きくもなるわ!」

アルコールも入り、彼女はすでにいい感じに酔っているらしい。

「いや…短期間にいろんなことが起こって、まあまあ私もびっくりしてるっていうか…」
「茉優でもびっくりすることあるんだ」
「ちょっと!私を何だと思ってるのよ」
「恋愛マスター」

真顔でそんなことを言うものだから、夕のこれはこれで反応に困る。…面白いけど。

「わかった!」
「何が」
「会わせてその人に!新キャラ!」
「なんでそーなる」

ここまでテンションが上がってしまった茜の饒舌は、おそらく眠るまで止まらない。
だけど彼は…はい、どうぞ。と簡単に会わせられる相手でもない。

はっきり言っていいものか判断しかねた私は、そーちゃんの職業だけはぼんやりと濁したまま話をしていた。
別に付き合ってるわけでもないし、好きって言われたわけでもない。

だけど…彼が芸能人であること、それは紛れもない事実なのだから。
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