Secret answer ～キミノトリコ～

そうして数分後、私は自宅のリビングでそーちゃんと向かい合っていた。

「…で、何があったのか聞いていい？」

私の様子が落ち着いたのを見計らって話を切り出してくれた彼の言葉に、ゆっくりと口を開いていく。
感じていた違和感の話を伝えると、目の前の顔が少し険しくなった。

「警察には？」
「いや、まだ…私の勘違いかもしれないと思って…」

家の周辺は賑やかなわけではないけれど…街頭が少ないわけでもないし、変質者が出たというような話も聞いたことがなかった。だから…今までこういった類の不安を感じたこともなかったのだ。

「ココね、この前まで友達と住んでたからこんなに広いんだけど…１人になったんだからもうちゃんと引っ越せよーってことなのかなぁ」

後回しにしてしまっていた家のことをこんな形で考えることになるなんて思ってもみなかったけど…これはこれでいいきっかけなのかもしれない。

そんなことを考えながらあはは…と笑う私を見て、なぜかそーちゃんは黙り込んでしまった。

あれ？私何か変なこと言ったかな…

自分の発言を思い返そうと思考を働かせようとしたとき、目の前の瞳が真っすぐにこちらを向いた。

「じゃあさ…俺がここに引っ越してくるのとか、どう？」