偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「竜王にはこのお店入ってないんだよ」
「あ、そうか。うちの方では長島に入ってるあそこかぁ」
沙知は、うんうん、と肯く。
「……で、さっちゃんは最近、山田とはどうなの?」
稍は話題を変えた。
とたんに、沙知の顔が曇る。
「う〜ん、なんかタイミング逃しちゃった、というか……」
今年三十一歳になる沙知は、会社の同期の山田 佑と同棲して、もう二年近くになる。
実は、二十九歳のときに山田からプロポーズされたのだが、沙知が「まずは一緒に暮らしてから」と「保留」してしまったのだ。
「なぁんか、向こうが『もう三十五歳になるまでいいか』って感じなんですよねぇ……そもそも、プロポーズを『保留』にしたあたしが悪いんですけど」
沙知の眉が下がる。かなり後悔しているようだ。
……バカ山田っ! なにやってんのよっ!
あんたみたいな男になんか、さっちゃんは百万年早いっつうのにっ!