偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

冷蔵庫の中にしまい終えた稍は、ふうっ、と息を吐いて、肩を(すく)めた。

たとえ「個室」がなくても、「無職」の「居候」の身では、ワガママは言えない。
世知辛い東京のど真ん中で、働かずとも自活できるほどの蓄えなんてない。
これから、生活費のすべてを負担してくれるなんて話はほかにはないのだ。

稍は智史のいるリビングへと足を向けた。

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