偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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「しもた……もう店、閉まっとるやんけ」

智史がめずらしく心底口惜しそうな顔をした。

三宮界隈のファッション関係の店は、遅くとも午後九時には閉まるようだ。
「お目当ての」エロい下着は手に入らなかった。

「くそっ、メシ食う前に先に買っとけばよかったっ」

まだ、文句を言っている。

「智くんさぁ、『エロい下着』『エロい下着』って言うてはるけどさぁ」

稍はシェリー酒と店の雰囲気に少しばかり酔ったので、完全スルーせずちょっとだけ相手をしてやることにした。

「どんな下着買おうとしてたん?
やっぱ、赤とか紫とかヒョウ柄とか?
それとも、透け透けな生地とか、ありえへんとこが、ぱかっ、って開いてるデザインとか?」

「稍、おまえ……結構、酔ってるやろ?
ま、その方が都合ええけど」

くすくす笑いながらへらへらしている稍を、智史がじろり、と見る。

時折ふらつく稍を支えるために「恋人つなぎ」は解消され、稍の腰は智史の大きな手に回され、がしっと掴まれていた。

「アホか。服を脱がしていきなり、中から赤とか紫とかヒョウ柄とか、どギツいのが飛び出してきよったら、退()くっちゅうねん」

智史は呆れたように言った。

「こいつはそないにおれに『期待』しとんのか、って思うたら、プレッシャーにしかならへんわ」

「ふーん……そしたら、色とか、どんな感じなのんがええのん?」

「そら、おまえ……白とか淡いピンクとか薄い黄色とか。ほんで、レースは外されへんな」

「……全然、エロくないやん。『普通』やん」

「アホか、おまえ。これからヤることとのギャップ考えてみろ。見るからにエロい格好してエロいセックスするのなんか、当たり前やんけ。
清楚な格好やのにエロいセックスするからこそ、もっとずっと昂奮するねんやろが。
……あっ、でも、透け透けの生地とか、ありえへんとこの、ぱかっ、っていうのは歓迎するぞ」


……智史さん、あなたももしかして、酔ってはります?

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