偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
それでなくても一回が長いのに、朝から(いや、朝だからかもしれないが)いろんな体位で二回もされて、稍の声はすっかり啼き疲れていた。
おかげで朝食の時間もギリギリだ。
神戸のホテルは朝食に定評があり、競争が激しいため、絶対に食べたい。
なのに、パウダールームでくちびるにグロスを塗ろうとしていたら、「稍」と呼ばれて振り向くと、スリーピース姿の智史から激しいキスが降ってきた。
稍は絡み合った自分の舌が、智史に引っこ抜かれるかもしれない、と思うくらい強く吸われた。
「……今日が正念場やからな。勇気をもろた。
あ、続きは東京へ戻ってからな」
くちびるを離した智史はそう満足げに言って、ソリッドのネクタイを締めた。
……ちょっと、カラダが保たないんですけれどもっ。