偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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東京のマンションに戻ると、智史は稍をまるで抱えるようにして寝室に連れ込んだ。

「……智くん……明日から……仕事やん。神戸から……戻ってきて……疲れてないのん?」

息を封じ込まれるほどの深いくちづけをされ、すでに稍は喘ぐような息遣いになっている。

「アホか。明日から仕事やから、週末までおまえを抱けへんやろ?……それに、男は疲れてるときの方が却って『調子ええ』んや」

智史はそうこうしてる間に、手際よく稍の服を剥いていき、もう下着に手をかけている。

「あたし、思っててんけどさぁ……智くんてさ、
……結構、むっつりスケベくない?」

「うるさい。やかまし。黙れ。
……男はみんな考えてることは一緒や」

だが、言葉とは裏腹の甘い声だ。
身も心もされるがままの稍は、喉を上げて笑う。

「……こんなカラダで……
こんなに感度のええ……おまえが悪い」

すっかり自分の服も脱いでしまった智史が、稍の身体(からだ)に覆いかぶさる。

……それって、セフレにとっては「最高の褒め言葉」?

自分の気持ちに目覚めてしまった稍は、一瞬、泣きそうな顔になる。

「それに今日は……『特別な日』やったからな」

智史はじっと見つめたまま、稍の頬をやさしく撫でた。


……あぁ、そうか。

永年の「復讐」を実行した日、やったもんなぁ。

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