偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
青山が人事部を出てMD課の方へ歩いて行った。
すると、小林が待ってました!とばかりに稍に向かって身を乗り出した。
「ねぇ、青山リーダーとはどこで知り合ったんですかっ?」
一応「上司の妻」であるところの稍に敬語を使っている。
「え……えーっと……」
彼女だけでなく、その背後の人事部員たちからも凄まじい「圧」を感じる。
彼らもまたGW明けにもかかわらず、早めに出勤してよかったと思っていた。
早起きには、こっちから何文払ってもいいくらいの得があった。
「お…幼なじみなんです……小学生の頃の」
稍は上擦った声でかろうじて答えた。
「ええっ⁉︎ ……もしかして、それからずっとつき合ってるとかっ⁉︎」
小林とともに背後にいる人たちも目を丸くする。
「ま、まさかっ! 最近になって再会したんです」
稍はあわてて言った。
すると、背後で「おおっ!」と歓声があがった。
「ええっ⁉︎ それで結婚まで漕ぎ着けたんですかっ⁉︎……それって『運命』じゃないですかぁっ!!」
小林は、手にしたクリアファイルを捻って身悶えしている。
「おいおい、小林さん……早く麻生さんのIDカードの写真、撮ってあげてくれよ」
見兼ねた人事部長が、思わず口を挟んだ。
実は彼も、部員たちと一緒になって、稍たちの馴れ初め話を耳をダンボにして聞いていたのだが。