偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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「あ……あのう……もしかして……『あそう やや』さん?」

心なしか、震える声で尋ねられる。山口だった。

……あれ? この人、なんであたしの名前を知ってるの?

不可解に思いながらも「新入社員」なので、丁寧にお辞儀する。

「はい、本日から嘱託社員として働くことになった麻生 稍と申します。よろしくお願いします」

「う……運命、じゃん……向こうから来てくれるなんて……」

山口は感激のあまり、今度は確実に震えていた。

「あ、麻生さん……いや、稍さん」

そう言って、いきなり山口は稍の手を取った。

……こ、これって、セクハラじゃないの?

そんなことを稍に思われてるとはつゆ知らず、山口はその手を引き寄せた。

「あのっ、おれ、山口 悠斗っていいます。MD課の青山チームで営業を担当してる者です」

……知ってるし。
この人、あたしが「八木 (こずえ)」だったこと、まったく気づいてないなぁ。

「稍さん、今夜、あなたの歓迎会をしたいんだけど……もちろん、二人っきりで。
きみにおれのことを、しっかりと知ってもらいたいんだ」

……はぁっ⁉︎
こっ、この人、初対面の人にこんなことするのっ⁉︎

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