偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
智史は深いため息を一つ吐いた。
「……GWに神戸へ帰った最後の日、仕事のためにおまえと別行動したとき、海外の取引先との交渉が終わったあと、新神戸に行く途中で役所に出しに行った。おれもおまえも本籍地が神戸やから、婚姻届だけですぐに受理してもらえた」
稍は俯いて、うなだれた。
そんな稍の様子を見て、智史は顔を曇らせた。
「……おれと入籍したのがそんなにイヤなんか?せやったら……婚姻届の無効の申請するか?」
稍は、ばっ、と顔を上げた。
その瞳には、あふれんばかりの涙が込み上がっていた。
「……ずるいよ、智くん。勝手に出すだけ出しといて、今さら……」
稍の瞳からは、とうとう涙があふれる。
「婚姻届を出すって……正式に結婚することやんか……そんな大事なこと……智くんだけで決めて……なんで……あたしには……なんにも言うてくれへんの?」
そして、稍は声を振り搾るように叫んだ。