君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「きっと、居るよ」

「逢が心から好きになれる人、きっとまだ会えてないだけだよ」


俺の言葉に逢は目を丸くして、それから嬉しそうに頬を染めて笑った。

「ありがと…、早く迎えに来てくれないかなぁ」


そう口にした逢は少し寂しそうで。

“友だち”になると決めたばかりなのに、手が勝手に動いてしまいそうだった。


寂しそうなその顔を優しく撫でてあげたかった。


でもそれは“恋人”の役目だから。

俺はただ彼女の話を聞いて、背負っているものを半分持ってあげるだけ。

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