君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「だって、さっきすごい優しく笑ってて、その子のことすごく好きなんだろうなって」
そうだね。
「好き」
今隣にいる逢を想って、俺を好きだと言ってくれた前の世界の逢を想って。
そう言った俺を見つめて、彼女はますます顔を赤くした。
…かわいい、な。
衝動的に君に触れてしまいそうになる自分を戒めて視線を落とした。
「私も、好きな人欲しいなぁ…できる、かな」
独り言のようにも聞こえた彼女の声。
俺のこと好きになれよ、なんてどこかの漫画に出てくるヒーローみたいなことは言えるはずもなく。
ただ、俺のこと好きになればいいのにって、そう思っていた。