君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「悪い悪い、涼んでたんだ」

那知はさらりと流す。


ちらっと那知を見ると、ちょうど目が合って、那知は唇に人差し指を当てて“しーっ”というポーズをした。

綺麗に、だけどどこか寂しげに微笑んだ顔と、その仕草が妙に似合っていて、思わず見とれてしまった。


…それの意味は、私とひろくんのことは黙っておくよ、の意味なのかな……

でも、日向と理久には、言った方がいいよね…


「あのね、二人とも…」

話し出した私に、那知は少し目を丸くして、理解したようにふっと笑う。



「私たち、付き合うことになったんだ」



その言葉に、大きな目をさらに大きくして驚く二人につい笑ってしまいそうになる。


「…え、っと……私たち…ってのは…誰?」

あ、そうか。



「…私と、ひろくん」


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