輪廻ノ空-新選組異聞-
「でも…」

少し視線を泳がせた沖田さん。

「まだ…六日余りしか経っていませんが…痛みは…?」

「え…」

一瞬で顔に熱がのぼった。

「傷が出来たでしょう」

「は……」

そうだった。

お互い初めてで、少し乱暴になった。

それで…出血したんだった。

でも痛みも無くなったし…

何より、今、ひとつになりたかった。

だから、その通りの気持ちを伝えた。

「沖田さんとひとつになりたいです。今」

今すぐに、と。

わたしは触れ合う距離だった唇を自分から押し付けた。

慣れないから顔を傾け忘れて、鼻と鼻がぶつかった。

でもすぐに、お互い申し合わせたみたいに顔を傾けて、唇を合わせて、食べちゃうみたいな勢いで。

歯がぶつかって自然に開いた歯列を越えて、更に深い口付けになった。

漏れる吐息にも、抱き合う腕にも熱がこもって、段々体全体が沖田さんを求めて求めて…たまらなくなる。

沖田さんも同じみたいで。

腰紐を解かれる乾いた音が耳に届いた時、やっと直に肌を重ねられるって、ホッとするぐらい、沖田さんを求めてやまなかった。

体全体で、言葉だけでは伝わらない全てを、包み隠さない体で…沖田さんを愛しいと想っていることを伝えたかった。

見つめ合った瞳は、熱情で潤んでいて。

余計に愛しさが増した。



沢山の真実が詳らかになって、自分にも沖田さんにも、伊木さんにも目を逸らさず向き合って得た真実を胸に、わたしたちはこれ以上深く結べない程、絆と体を結んだ。
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