輪廻ノ空-新選組異聞-
「あ、でも…」
わたしの事、おなごだと思ってないってことか…!と思わず呟くと、沖田さんもちょっと沈黙して。
「いえ、そうならば、先程のような心配はしませんよ」
「でも…沖田さんはおなごが苦手なんですよね?」
「…!……土方さんですか?」
驚いたように聞いてきた沖田さんに、頷いて答えると、沖田さんは溜息をついて。
「辛い経験がありましてね。おなご不信と言うか…」
「辛い経験…。失恋…とかですか?」
いいえ、と沖田さんは首を振った。
「恋などまだしたことありません」
「では…?」
わたしはちょっと驚きながらも先を促すように言っていた。
「……話さなくてはいけませんか?」
気に障ったのか、ちょっと眉間にシワを寄せて言われ、私はハッとした。
「い、いえ…。すみません、立ち入った事を…」
私は気まずいやら、恥ずかしいやらで、詫びを入れると急いで沖田さんに背を向けた。
「では、八郎さんを追いかけます!失礼しました!」
言った私の背に、沖田さんは「ちょっと待ってください」と声をかけてきて。
「用事があって私はここに来たんですよ。今夜の新年会、あなたも来るんですよ」
私は驚いて立ち止まった。そして再び沖田さんの方を見る。
「え…と、どうしてですか?」
「あなたも同門でしょう。天然理心流の」
「あ……」
急に嬉しさが込み上げる。
「同門ではありますが……。わたしなんかがいいんですか?」
「勿論です」
「わかりました!」
「六ツが過ぎたら八木さんの家の広間に来て下さいね」
「はい!」
私は言い置いて道場を後にした。
わたしの事、おなごだと思ってないってことか…!と思わず呟くと、沖田さんもちょっと沈黙して。
「いえ、そうならば、先程のような心配はしませんよ」
「でも…沖田さんはおなごが苦手なんですよね?」
「…!……土方さんですか?」
驚いたように聞いてきた沖田さんに、頷いて答えると、沖田さんは溜息をついて。
「辛い経験がありましてね。おなご不信と言うか…」
「辛い経験…。失恋…とかですか?」
いいえ、と沖田さんは首を振った。
「恋などまだしたことありません」
「では…?」
わたしはちょっと驚きながらも先を促すように言っていた。
「……話さなくてはいけませんか?」
気に障ったのか、ちょっと眉間にシワを寄せて言われ、私はハッとした。
「い、いえ…。すみません、立ち入った事を…」
私は気まずいやら、恥ずかしいやらで、詫びを入れると急いで沖田さんに背を向けた。
「では、八郎さんを追いかけます!失礼しました!」
言った私の背に、沖田さんは「ちょっと待ってください」と声をかけてきて。
「用事があって私はここに来たんですよ。今夜の新年会、あなたも来るんですよ」
私は驚いて立ち止まった。そして再び沖田さんの方を見る。
「え…と、どうしてですか?」
「あなたも同門でしょう。天然理心流の」
「あ……」
急に嬉しさが込み上げる。
「同門ではありますが……。わたしなんかがいいんですか?」
「勿論です」
「わかりました!」
「六ツが過ぎたら八木さんの家の広間に来て下さいね」
「はい!」
私は言い置いて道場を後にした。