誠の華−ユウガオ−



心臓が鈍く脈打った。


歳さんと一君が走り出し、一歩遅れて私も足を動かす。


医務室で横たわる山崎の側には既に勇さんと総司がいた。


2人の間を割ってよろよろと山崎の側に近づき手をとる。


「山崎さん…、駄目だよ。こんなところで死なないでっ……!」


握り締めた山崎の手にポタポタと涙を零す。


するとそれに反応した山崎がもう片方の震えた手で私の涙を拭ってくれた。


「泣か…ないで、ください……」


痛みに耐えながら困ったように笑う山崎に余計涙は溢れる。

「だったら死なないで!!なんであの時に私を庇ったの!!山崎さんは…新撰組に必要なのに……」


「酷い…なぁ…、雪さん…は……」


はぁはぁ、と荒い呼吸を繰り返しながら一生懸命言葉を紡ぐ山崎。

一言も聞き逃さぬようとするとどんどん顔が近づいていく。


「女子を…守るんは……、武士の…誉れ…や……。わいの誉れを……雪はんの…罪…悪…感…で…、汚さんと…いて……」


たまにしか聞けない彼の大阪訛りの言葉は胸に鋭く刺さった。


「ごめ…ね…。ありっ、がと……!」


しゃくりあげて上手く話せないがらどうやら私の声は届いたようだった。


「きょく…ちょ…、ふ…くちょ……、お世話に………なり……まし…た」


その言葉を最後にダラリ、と山崎の手から力が抜けた。


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