誠の華−ユウガオ−
「お前は俺より総司と過ごした時間が長いから分かるはずだ。総司がいつだって自分よりもお前の幸せを望んでいた事を」
「それは…」
「不治の病にかかった自分ではお前を幸せに出来ない。自分が死んだらお前は必ず大きな傷を受ける。ならばお前の傷が少しでも軽くなるように今から嫌われれば良い。総司ならそう考えると思わないか?」
納得し切れていなかった雪の瞳が徐々に潤み始めた。
悔しいが俺は総司には一生叶わない。
それが分かっているから、ならば二人には幸せになってもらいたい。
例え残された刻が短かったとしても。
……俺はいつからこんな人たらしになったのか。