サトラレル

捨てられてもなお私は捨てきれなかった愛情とか、


本当は出世の為に結婚するくせにって軽蔑する気持ちとか、


本当は康人と結婚していたのは自分だったのにって嫉妬する気持ちとか……



そんな心の中の未練やら後悔やら、愛情や憎しみなんかがぐちゃぐちゃに縺れて絡まって紡がれた一本の糸。



私にとってこの糸は、この場所で、そしてこれからも会社で正気でいられるための、なけなしの最後のプライドだった。



それが断ち切られた今……




……私はもう自分の足では立ち続ける自信も、立ち上がる気力も無い。


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