今宵は遣らずの雨

◇第六話◇


視線を感じたのであろうか。

武家の男がこちらに振り向いた。

小太郎と同じ顔が、其処(そこ)にあった。

小夜里は顔の色をなくし、ただ立ち(すく)んだ。


……民部さま、今頃、なにゆえに。

< 103 / 297 >

この作品をシェア

pagetop