婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
え?私、海亀にも負けてる⁉︎

自信を失いボソボソと呟く。

「どこからって言われても困るけど……」

「嘘だよ。流石に海亀相手なら勝てるんじゃない?泳ぎは負けるけどね」

ニコッと笑うと、玲人君は持っていたスマホでパシャと私の写真を撮った。

「『嘘だよ』って言ったのに、なぜ疑問形?」

横目でジロリと玲人君を睨むと、彼はクスッと笑った。

「瑠璃を弄るのって楽しいんだよね。仕事忘れてリラックス出来る」

……私は玲人君のおもちゃ?

頭の中でそんな突っ込みを入れていたら、彼が餌の入った紙コップを私に手渡した。

「ほら、俺の分も餌あげるよ」

「わーい、ありがとう!」

見事に餌に釣られた私は、彼にからかわれたことも忘れご機嫌。

餌やりを終えて一旦部屋に戻ると、バスルームで水着に着替え、私にしては珍しくちゃんとヘアメイクをしてシュノーケルに行く準備をする。
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