婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
朝起きたら雲ひとつない晴天で、気分もスッキリ。

楽しいことだけ考えようって思った。

宮古島にいられるのもあと数日だもん。

玲人君も拓海さんのことは一切口にせず、朝からいつもの調子で私をからかった。

朝食を部屋で食べた後は、玲人君がレンタカーを借りて、宮古島でも有名な観光名所であるこの東平安崎にある灯台にやって来たのだ。

ホテルのレストランから見えたあの灯台だ。

入場料を払って灯台の中に入ると、すぐに螺旋階段があって、展望台目指してひたすら上った。

五十段登ってヨロヨロしていたら、玲人君には『ホント、体力なさ過ぎ』と冷やかされたけどね。

眼下に広がる絶景に、百段近く上った階段の辛さを忘れる。

景色に感動している私に、玲人君は意地悪く言った。

「東京に戻ったら体力つけようね」

「うっ……それ、今言う?この綺麗な景色を楽しんでいるのに」

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